エコスグループは、関東地区に130店舗以上を展開するスーパーマーケットチェーン。「エコス」「たいらや」「TAIRAYA」をはじめ、「マスダ」「フードガーデン」「ワイ・バリュー」などの店舗ブランドを展開。
アイテックの製品ラインナップにも影響を与えたという同社とのこれまでのシステムの変遷や、今後の展望などについて伺いました。
業務部長 兼 営業企画部長 兼
販売促進担当マネジャー 齊田純児様
業務部 マネジャー
情報システム担当 九頭見光太郎様
業務部長 兼 営業企画部長 兼 販売促進担当マネジャー
齊田純児様
業務部 マネジャー 情報システム担当
九頭見光太郎様
営業部 部長 山岸聡
第二システム部 部長 五十嵐晃
現場からの不満は一切なし。
かゆいところに手が届く
システム。
エコス様とはいつ頃からお取引を?
アイテック 山岸:2011年からのお取引ですので、もう優に10年以上お付き合いさせていただいています。
はじめはEOBシステムで、現在お使いいただいている「OrderPartner(オーダーパートナー)」の前のバージョンからのお付き合いとなります。
その後、2014年頃から生鮮発注の「Fresh Cube(フレッシュキューブ)」と惣菜センター向けの「Deli Cube(デリキューブ)」を提供させていただきました。
アイテック
五十嵐:生鮮発注と惣菜センター向けのシステムについては、アクシアルグループ以外ではエコス様が初めての取り組みでしたので、弊社の商品開発にとって大変貴重な経験になりました。
齊田様と九頭見様はアイテックとどのような部分で関わっていただいているのでしょうか?
齊田様:大きな部分で申し上げますと、まず2019年の基幹システムの刷新というプロジェクトがありました。
九頭見様:刷新にあたっては特に、それまでのシステムは消費税の軽減税率に対応できないという問題があったので、制度に対応するため短期間での刷新が求められました。基幹システム自体は大手ベンダーさんのものなのですが、アイテックさんにはそれまでのEOBを引き続き新しい基幹システムに連携していただく部分でご協力いただきました。
基幹システム刷新の際に、EOBシステムについても見直しなどはされたのでしょうか?
齊田様:EOBシステムに限らず、あらゆる仕組みについては入れ替え対象とするか否かの判断を行いました。判断基準の一つとして、店舗側にヒアリングを取るのですが、EOBシステムについては不満が一切なかったんです。
「EOBは?」と聞くと、「別に問題ないです」というくらい、現場では既に当たり前のものになっていました。
アイテック 山岸:「当たり前」と言っていただけるのは、我々にとっては一番の褒め言葉です。
齊田様:そういった評価もあり、EOBシステムは積極的に残させていただきました。
アイテックさんのシステムは、さすがはアクシアルさんのシステムがベースになっているなという印象で、小売りの現場のことがよく考えられていて、“かゆいところに手が届く”仕組みなんですよね。
我々の店舗で長年使わせていただき「これは本当に使いやすいシステムだ」ということが分かっていましたから、あえてそれを変えてまで新しいものにする選択はまずありませんでしたね。
九頭見様:基幹システム刷新に際して、店舗発注システムをそのまま現行踏襲で推進できたというのは、弊社にとっては大きかったですね。新システムの本番稼働がうまくいかない場合は、一度旧システムに戻すなどの悪循環もあり得る世界なので、アイテックさんのご協力によって乗り越えることができました。
アイテック 五十嵐:こちらこそありがとうございます。
エコス様の業務部の方々は、システムにも現場にも非常に精通していらっしゃるので、弊社としては明確に移行イメージを共有させて頂くことが出来、とてもやりやすかったですね。
九頭見様:こちらとしてもそれまでの旧システムを熟知されているアイテックさんとの関係性は心強かったですよ。
日々の発注は絶対に止めてはいけないものなので、発注システムのトラブルだけは許されませんので。
些細な意見や相談が
次のステージにつながっていく
その後は2021年にEOBシステムのバージョンアップ
(OrderPartnerの導入)が行われました。
齊田様:基幹システムの刷新の際は、基本的には現状維持だったのですが、EOBシステムのバージョンアップの場合は、すでに成熟したシステムだったので、使い勝手の拡充や、使用しない機能のそぎ落としなど、かなり実用性が高いレベルの会話ができていましたね。
九頭見様:店舗からのアンケートも不満というよりは、具体的な改良点など前向きな内容が多かったんですよ。
この種のアンケートは、通常ですと返答はあまり多くないのですが、この時はかなり多かったのを覚えています。これは各店舗がシステムを使いこなしている証明ですよね。
アイテック 山岸:ありがとうございます。
発注システムは当然ながら、多くのエンドユーザー(店舗スタッフ)様に使っていただくものなので、エコス様が本部サイドでお店の意見をきちんと吸い上げていらっしゃるのは、とても素晴らしいことだと思います。
そうした現場の声をしっかりと弊社にぶつけていただいているので、弊社としても高いレベルで意思疎通ができているという自負があります。
齊田様:相談しやすいんですよね。
九頭見様:アイテックさんの場合、土日も窓口対応されているし、問い合わせに対するレスポンスが早いので、逆に依存しすぎないようにしなければと思っています(笑)
アイテック 五十嵐:いえいえ、どんどん頼っていただければ。
そもそもお客様の声がなければ機能改善はできません。この時は建設的な意見を多くいただくことができたので、それに対し我々もノリノリで、「じゃあこういうものはどうでしょう?」とか「もっとこういう風にしてみませんか?」という風に、1つのチームのように一体感を感じながら取り組むことができました。
例え些細なご意見やご相談であっても、我々にとってはとても重要で、次の改良につながる価値になっていくんですよね。
そういう意味で我々の製品を高めていただいているのは、お客様なのだと思います。
九頭見様:実際の本番切り替えの時には平行稼働をしながら、段階的に、確実にやらせていただいたので、ほぼノートラブルでしたよね。
アイテック 山岸:EOBの入れ替えが終わった後に、齊田様から「100点だったんじゃないですか?」というお言葉をいただいたのを忘れません。
しかし、その結果を生み出した根底にあるのは、業務部の皆様の緻密な計画性と決断力だったと思っています。
システム構築は高い専門性が求められるため、どうしてもベンダー任せになりがちですが、エコス様は常に方向性を持って決断をされていらっしゃいました。そのお陰でプロジェクトとして課題を共有させて頂くということが本当に出来ていたのだと思います。そういう意味で、我々にとってこれまでのエコス様とのプロジェクトは“成功事例”の塊なんです。
完成度を高めるための姿勢
システムの使いやすさとは?
システムの刷新や入れ替えを振り返っていただきました
が、
改めてアイテックの評価をお聞かせください。
齊田様:アイテックさんの強みはやはり、グループ内の意見を吸収し、反映しながら常にシステムをアップデートされている所ではないでしょうか。
そういった完成度を高めるための姿勢がプロだなと思えるんですよね。それが一般的なシステムベンダーさんとの大きな違いだと思います。
九頭見様:システムが使いやすいか否かいうのは、実はほんのちょっとした違いなんですよね。
「ちょっと困っているんです」「ここさえあと一歩何とかなれば」という状況で、アイテックさんは、さっと手を差し出すように対応していただける。
だから我々の言葉を理解していただけるし、課題や想いも共有できる。
アイテック 五十嵐:ありがとうございます。
開発メンバーがそれなりに鍛えられているところもあるかと思いますが、お客様のご要望は性能や品質を向上させていただくチャンスだと捉えています。
やはりお互いが笑顔で結果を出していける関係がいいですから。
では、今後アイテックに期待することを教えてください。
齊田様:もちろん今お付き合いいただいている部分は、継続的にお願いしたいと思っています。
新たな分野では、例えば従業員の動き方とリンクした生産管理の部分はまだまだ改善の余地がありそうなので、ぜひ一緒に取り組んでいただきたいですね。
アイテック
山岸:LSP(レイバー・スケジューリング・プログラム)や自動発注システム、販促系など、まだバラバラになっている仕組みがリンクしていくようなイメージですよね。
例えば、惣菜の販売計画~原材料の発注~製造~食品表示ラベルの貼付~陳列という一連の流れと、生産性の管理がリンクして包括的に見られるようなもの。これからの小売の現場にはそういうシステムが必要になってくると考えています。
弊社ではそれぞれの素材はそろっています。そしてそれらをどう有機結合させていくかという段階に進んでいますので、今後、エコス様にもご活用いただけるレベルでご提案させていただきたいです。
「だから発注は面白い」
今後求められるシステムとは?
最後に、今後のスーパーマーケット業界における課題等についてお聞かせください。
齊田様:やはり今一番ホットなのは生成AIをどう活用するのかですね。
AIを業務にまで定着させようとする企業さんもあれば、しばらくは完全に距離を置く企業さんなどさまざまですが、我々としては一旦積極的に使ってみようという動きが始まっています。
アイテック
山岸:議事録の作成などすでに浸透している技術のように、生成AIは我々のこれからの暮らしを良くしていくための有効な技術であるということは間違いありません。それをうまく取り込んでいくためには、やはり積極性。AI技術は日進月歩なので、今ある技術を使い倒していく行為は重要だと思います。
今我々のグループでは、人間がやる部分とAIがやる部分をうまく役割分担をさせるようなハイブリッドな形を意識しています。
齊田様:発注やMDがAIで全てできるようになると、極端な話ですがどこのスーパーマーケットに行っても可もなく不可もなく、変わりがなくなってしまいます。
業界がAI化、自動発注化されていく流れがありつつも、逆に尖る部分というか、お店の魅力が光る部分を今後どう出していくか、人間臭さをどうアレンジして出していくのかがスーパーマーケット間の競争になるのかもしれません。
そう考えると、やっぱり発注って面白いんですよね。
株式会社エコス様
関東地区に130店舗以上を展開するスーパーマーケットチェーン。「エコス」「たいらや」「TAIRAYA」をはじめ、「マスダ」「フードガーデン」「ワイ・バリュー」などの店舗ブランドを展開。
『正しい商売』を社是とし、お買い得な商品や地域市場を活用した高鮮度で高品質な商品を提供。また、資源リサイクルや循環型農業など地域社会に貢献できる活動を展開し、環境に優しい店舗作りにも取り組んでいます。